秋冬に儲かる野菜は?栽培カレンダーと収益性ランキング
著者: 田んぼ電卓編集部
はじめに
「農業は春に始めるもの」と思っていませんか?
実は、秋冬に栽培・出荷できる作物は多く、しかも高値で売れるものも多いのです。夏野菜が市場から減る秋冬は、供給が少ない分だけ価格が上がる傾向があります。
この記事では、秋冬に栽培できる野菜の収益性と栽培カレンダーを解説します。
秋冬野菜の収益性ランキング
トップ5
| 順位 | 作物 | 10aあたり売上 | 栽培期間 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ねぎ(冬ねぎ) | 80〜120万円 | 8〜10月播種→12〜3月出荷 | 中 |
| 2 | ほうれん草 | 60〜100万円 | 9〜11月播種→11〜2月出荷 | 低〜中 |
| 3 | ブロッコリー | 50〜80万円 | 7〜8月定植→10〜12月出荷 | 中 |
| 4 | キャベツ(冬キャベツ) | 40〜70万円 | 7〜8月定植→11〜2月出荷 | 低 |
| 5 | 白菜 | 30〜60万円 | 8〜9月定植→11〜1月出荷 | 低 |
各作物の詳細
ねぎ(冬ねぎ)— 収益性No.1
ねぎは秋冬野菜の中で最も収益性が高い作物の一つです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 栽培期間 | 播種8〜10月→定植11月→収穫12〜3月 |
| 10aあたり売上 | 80〜120万円 |
| 10aあたり経費 | 40〜60万円 |
| 10aあたり所得 | 40〜60万円 |
| 初期投資 | 比較的低い(露地栽培可能) |
メリット:
- 単価が安定して高い(特に年末年始)
- 貯蔵性が高く、出荷調整しやすい
- 機械化が進んでいる
注意点:
- 土寄せ作業が重労働
- 連作障害に注意
- 調製(皮むき、根切り)に手間がかかる
ほうれん草 — 回転率No.1
ほうれん草は播種から収穫まで40〜60日と短く、回転率が高いのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 栽培期間 | 播種→40〜60日で収穫 |
| 年間作付け回数 | 3〜5回(ハウスなら通年) |
| 10aあたり売上 | 60〜100万円(1作あたり) |
| 初期投資 | ハウス栽培推奨 |
メリット:
- 栽培期間が短く回転が速い
- 冬は甘みが増し「ちぢみほうれん草」として高値
- 比較的栽培が容易
注意点:
- 暑さに弱い(夏は栽培困難)
- 連作で病気が出やすい
- 調製(根切り、洗い、袋詰め)に労力がかかる
ブロッコリー — 注目度急上昇
2026年から指定野菜に追加され、国を挙げて生産拡大が推進されている注目の作物です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 栽培期間 | 定植7〜8月→収穫10〜12月 |
| 10aあたり売上 | 50〜80万円 |
| 10aあたり経費 | 25〜40万円 |
| 初期投資 | 比較的低い(露地栽培可能) |
メリット:
- 指定野菜化で価格安定の仕組みが整う
- 国内需要が拡大中
- 冷凍加工にも向く
注意点:
- 一株から1個しか収穫できない(側花蕾も取れるが小さい)
- アオムシ等の害虫が多い
- 収穫適期が短い(花が咲くと商品にならない)
キャベツ(冬キャベツ)— 安定の定番
キャベツは需要が安定しており、大きく外すことが少ない作物です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 栽培期間 | 定植7〜8月→収穫11〜2月 |
| 10aあたり売上 | 40〜70万円 |
| 10aあたり経費 | 20〜35万円 |
| 初期投資 | 低い |
メリット:
- 栽培が比較的容易で初心者向け
- 需要が安定しており販売に困らない
- 貯蔵性がある
注意点:
- 単価が安いため面積が必要
- アオムシ、ヨトウムシの防除が重要
- 春の市場暴落に注意
白菜 — 鍋シーズンに高需要
鍋料理の定番食材として、11月〜1月に需要がピークを迎えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 栽培期間 | 定植8〜9月→収穫11〜1月 |
| 10aあたり売上 | 30〜60万円 |
| 特徴 | 鍋シーズンに高需要 |
秋冬野菜の栽培カレンダー
| 月 | ねぎ | ほうれん草 | ブロッコリー | キャベツ | 白菜 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7月 | 定植 | 定植 | |||
| 8月 | 播種 | 管理 | 管理 | 定植 | |
| 9月 | 管理 | 播種 | 管理 | 管理 | 管理 |
| 10月 | 管理 | 管理 | 収穫 | 管理 | 管理 |
| 11月 | 定植 | 収穫 | 収穫 | 収穫 | 収穫 |
| 12月 | 収穫 | 播種(2作目) | 収穫 | 収穫 | 収穫 |
| 1月 | 収穫 | 管理 | 収穫 | 収穫 | |
| 2月 | 収穫 | 収穫 | 収穫 | ||
| 3月 | 収穫 |
秋冬に就農するメリット
1. 夏の猛暑を避けられる
秋冬の農作業は夏に比べて体力的な負担が少ないです。特に就農初年度は、涼しい時期にスタートすることで農作業に慣れやすくなります。
2. 害虫が少ない
気温が下がると害虫の活動が鈍くなります。農薬の使用量を抑えやすく、減農薬・有機栽培にも取り組みやすいです。
→ 有機農業の始め方
3. 価格が高い
夏野菜が市場から減る分、秋冬野菜は相対的に高値で取引される傾向があります。特に年末年始は需要増で価格が上がります。
秋冬野菜経営のポイント
複数作物の組み合わせ
1つの作物だけでなく、収穫時期の異なる複数の作物を組み合わせることで、収入の安定化と作業の平準化ができます。
例えば:
- 10〜11月: ブロッコリー収穫
- 11〜12月: キャベツ・白菜収穫
- 12〜3月: ねぎ収穫
- 通年: ほうれん草(ハウス)
施設栽培の活用
ビニールハウスを使えば、露地より1〜2ヶ月早く出荷でき、端境期の高値を狙えます。ただし初期投資(10aあたり300〜500万円)がかかるため、資金計画をしっかり立てましょう。
まとめ
秋冬野菜は**「寒い時期にしか作れない」のではなく、「寒い時期だからこそ儲かる」**チャンスです。
- ねぎ・ほうれん草は高収益
- ブロッコリーは国の後押しで成長市場
- 複数作物の組み合わせで安定経営
まずはシミュレーターで、気になる作物の収支を確認してみてください。