トマトの経営ガイド
高収益が期待できる施設園芸の代表格。ハウス栽培が主流で初期費用は高いが、単価が安定しやすい。
基本情報
作付時期
3〜4月
収穫時期
6〜10月
年間労働時間(10反)
2,000時間
収支の目安(10反あたり)
年間売上
2100万円
年間経費
800万円
年間所得
1300万円
月収換算
108万円
月別キャッシュフロー
農業は収入の時期が限られます。トマトの場合、6〜10月に収入が集中します。
| 月 | 収入 | 支出 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 1月 | - | 64万円 | -64万円 |
| 2月 | - | 64万円 | -64万円 |
| 3月 | - | 80万円 | -80万円 |
| 4月 | - | 80万円 | -80万円 |
| 5月 | 105万円 | 80万円 | 25万円 |
| 6月 | 315万円 | 80万円 | 235万円 |
| 7月 | 420万円 | 64万円 | 356万円 |
| 8月 | 525万円 | 64万円 | 461万円 |
| 9月 | 420万円 | 64万円 | 356万円 |
| 10月 | 210万円 | 48万円 | 162万円 |
| 11月 | 105万円 | 64万円 | 41万円 |
| 12月 | - | 48万円 | -48万円 |
初期投資の目安
投資総額(10反規模)
3080万円
投資回収目安:約3年
軽トラック
中古
50万円
管理機・動噴
小型管理機一式
30万円
パイプハウス
鉄骨ハウス建設費(10反分)
2500万円
潅水設備
点滴潅水システム(10反分)
200万円
暖房設備
加温機・保温資材(10反分)
300万円
リスクと注意点
自然災害(台風・豪雨・干ばつ等)による収量減少リスク
市場価格の変動による収入不安定リスク
ハウス・施設の維持管理費用と故障リスク
燃料費・暖房費の高騰リスク
高い労働負荷による体調管理・人手確保の課題
よくある失敗
規模の拡大を急ぎすぎる
技術が未熟なまま面積を増やすと管理が追いつかず品質低下・収量減に。まず小規模で技術を磨き、3年目以降に段階的に拡大するのが安全です。
運転資金の見積もりが甘い
就農1〜2年目は収入が安定しません。最低1年分の生活費+営農資金を確保してからスタートしましょう。
病害虫対策の後手
トマトはうどんこ病・灰色かび病・オオタバコガ等の被害を受けやすく、予防的な防除を怠ると一気に蔓延します。IPM(総合的病害虫管理)の学習が必須です。
ハウス内の温度管理ミス
夏場の高温障害や冬場の低温による着果不良は頻出する失敗です。換気・遮光・暖房の適切な運用を学びましょう。
成功のコツ
先輩農家との関係づくり
地域の先輩農家やJA指導員との信頼関係が最大の資産です。技術指導だけでなく、農地紹介や販路の引き継ぎにもつながります。
補助金・支援制度のフル活用
経営開始資金(年間最大150万円×3年)をはじめ、活用できる制度は漏れなく申請しましょう。市町村の農業担当窓口への早期相談が鍵です。
環境制御技術の導入
温度・湿度・CO2濃度のデータに基づく環境制御で収量20〜30%向上が期待できます。最初から高度なシステムでなく、温湿度計と記録から始めましょう。
ミニトマトから始める
大玉トマトより栽培管理がしやすく、直売所での人気も高いミニトマトは新規就農者の入り口として最適です。
活用できる補助金・支援制度
経営開始資金(新規就農者育成総合対策)
就農直後の経営が不安定な時期(最長3年間)の生活を支援する資金。月額12.5万円相当。
年間最大 150万円 × 3年間
申請先: 市町村の農業担当窓口または都道府県農業会議に申請
就農準備資金(新規就農者育成総合対策)
都道府県が認めた研修機関等で研修を受ける就農希望者への資金。就農前の研修期間を支援。
年間最大 150万円 × 2年間
申請先: 都道府県の就農支援センターまたは農業大学校に相談
経営発展支援事業(新規就農者育成総合対策)
就農に必要な機械・施設等の導入を支援。補助率は都道府県支援分と合わせて最大1/2。上限1,000万円。
年間最大 1000万円 × 1年間
申請先: 市町村の農業担当窓口に申請。都道府県の上乗せ支援がある場合も
農業保険(収入保険制度)
自然災害や価格低下で収入が減少した場合に、基準収入の9割を補てん。掛金の50%を国が補助。
申請先: 最寄りのNOSAI(農業共済組合)に相談
強い農業づくり総合支援交付金
産地の競争力強化に必要な共同利用施設の整備を支援。集出荷施設、乾燥調製施設等が対象。補助率1/2以内。
申請先: 都道府県の農業振興課または地方農政局に相談
新規就農相談センター(無料相談)
各都道府県に設置された就農相談窓口。補助金の申請方法、研修先の紹介、農地の斡旋等を無料で相談可能。
申請先: 全国農業会議所「新規就農相談センター」または各都道府県の就農支援センター
よくある質問
トマトの新規就農で年収はいくら稼げますか?
10反(約1ha)の栽培で、年間売上約2100万円、経費を差し引いた年間所得は約1300万円が目安です。ただし1〜2年目は習熟度が低く、5年目の水準の50〜65%程度になることが一般的です。
トマトの栽培に必要な初期投資はいくらですか?
10反規模の場合、農機具・設備等で3080万円程度が目安です。中古機械の活用やリースにより初期費用を抑えることも可能です。
トマトの栽培で使える補助金はありますか?
新規就農者向けの「経営開始資金」(年間最大150万円×3年間)や「経営発展支援事業」(上限1,000万円)等が活用できます。詳細は市町村の農業担当窓口にお問い合わせください。
トマトの作付時期と収穫時期はいつですか?
作付時期は3〜4月、収穫時期は6〜10月です。地域や品種によって時期は前後します。
トマトはハウス栽培が必要ですか?
トマトは主にハウス(施設)栽培で行われます。露地栽培も可能ですが、品質・収量の安定にはハウスが有利です。初期投資は高くなりますが、天候リスクの軽減や出荷時期の調整が可能になります。
トマトであなたの収支をシミュレーション
面積・地域を入力するだけで、あなた自身の条件で収支予測ができます。
トマトでシミュレーション