いちごの経営ガイド
高単価で収益性が高い。ハウス栽培・暖房が必須で経費が大きいが、観光農園やブランド化で付加価値を出しやすい。
基本情報
作付時期
9〜10月
収穫時期
12〜5月
年間労働時間(10反)
2,800時間
収支の目安(10反あたり)
年間売上
3600万円
年間経費
1200万円
年間所得
2400万円
月収換算
200万円
月別キャッシュフロー
農業は収入の時期が限られます。いちごの場合、12〜5月に収入が集中します。
| 月 | 収入 | 支出 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 540万円 | 120万円 | 420万円 |
| 2月 | 540万円 | 120万円 | 420万円 |
| 3月 | 720万円 | 96万円 | 624万円 |
| 4月 | 540万円 | 60万円 | 480万円 |
| 5月 | 360万円 | 36万円 | 324万円 |
| 6月 | - | 36万円 | -36万円 |
| 7月 | - | 60万円 | -60万円 |
| 8月 | - | 120万円 | -120万円 |
| 9月 | - | 180万円 | -180万円 |
| 10月 | - | 120万円 | -120万円 |
| 11月 | - | 120万円 | -120万円 |
| 12月 | 900万円 | 132万円 | 768万円 |
初期投資の目安
投資総額(10反規模)
4380万円
投資回収目安:約2年
軽トラック
中古
50万円
冷蔵庫
プレハブ冷蔵庫
30万円
パイプハウス
高設栽培対応ハウス(10反分)
3000万円
高設ベンチ
栽培ベンチ一式(10反分)
800万円
潅水・暖房設備
点滴潅水+加温機(10反分)
500万円
リスクと注意点
自然災害(台風・豪雨・干ばつ等)による収量減少リスク
市場価格の変動による収入不安定リスク
ハウス・施設の維持管理費用と故障リスク
燃料費・暖房費の高騰リスク
高い労働負荷による体調管理・人手確保の課題
よくある失敗
規模の拡大を急ぎすぎる
技術が未熟なまま面積を増やすと管理が追いつかず品質低下・収量減に。まず小規模で技術を磨き、3年目以降に段階的に拡大するのが安全です。
運転資金の見積もりが甘い
就農1〜2年目は収入が安定しません。最低1年分の生活費+営農資金を確保してからスタートしましょう。
育苗の失敗
いちごは育苗(親株→ランナー→子苗)が最も重要な工程。苗の品質が収量に直結するため、育苗技術の習得は最優先で取り組むべきです。
収穫適期の見極めミス
収穫が早すぎると甘みが不足し、遅すぎると日持ちしません。品種ごとの着色基準を熟知する必要があります。
成功のコツ
先輩農家との関係づくり
地域の先輩農家やJA指導員との信頼関係が最大の資産です。技術指導だけでなく、農地紹介や販路の引き継ぎにもつながります。
補助金・支援制度のフル活用
経営開始資金(年間最大150万円×3年)をはじめ、活用できる制度は漏れなく申請しましょう。市町村の農業担当窓口への早期相談が鍵です。
観光農園・直売で高単価販売
いちご狩り体験農園は最も高い単価(kg1,500〜2,000円相当)が得られる販売形態です。集客力のある立地なら積極的に検討しましょう。
品種選定を慎重に
地域の気候・土壌に合った品種を選ぶことが成功の第一歩。JA・普及指導センターの推奨品種を基本にしましょう。
活用できる補助金・支援制度
経営開始資金(新規就農者育成総合対策)
就農直後の経営が不安定な時期(最長3年間)の生活を支援する資金。月額12.5万円相当。
年間最大 150万円 × 3年間
申請先: 市町村の農業担当窓口または都道府県農業会議に申請
就農準備資金(新規就農者育成総合対策)
都道府県が認めた研修機関等で研修を受ける就農希望者への資金。就農前の研修期間を支援。
年間最大 150万円 × 2年間
申請先: 都道府県の就農支援センターまたは農業大学校に相談
経営発展支援事業(新規就農者育成総合対策)
就農に必要な機械・施設等の導入を支援。補助率は都道府県支援分と合わせて最大1/2。上限1,000万円。
年間最大 1000万円 × 1年間
申請先: 市町村の農業担当窓口に申請。都道府県の上乗せ支援がある場合も
農業保険(収入保険制度)
自然災害や価格低下で収入が減少した場合に、基準収入の9割を補てん。掛金の50%を国が補助。
申請先: 最寄りのNOSAI(農業共済組合)に相談
強い農業づくり総合支援交付金
産地の競争力強化に必要な共同利用施設の整備を支援。集出荷施設、乾燥調製施設等が対象。補助率1/2以内。
申請先: 都道府県の農業振興課または地方農政局に相談
新規就農相談センター(無料相談)
各都道府県に設置された就農相談窓口。補助金の申請方法、研修先の紹介、農地の斡旋等を無料で相談可能。
申請先: 全国農業会議所「新規就農相談センター」または各都道府県の就農支援センター
よくある質問
いちごの新規就農で年収はいくら稼げますか?
10反(約1ha)の栽培で、年間売上約3600万円、経費を差し引いた年間所得は約2400万円が目安です。ただし1〜2年目は習熟度が低く、5年目の水準の50〜65%程度になることが一般的です。
いちごの栽培に必要な初期投資はいくらですか?
10反規模の場合、農機具・設備等で4380万円程度が目安です。中古機械の活用やリースにより初期費用を抑えることも可能です。
いちごの栽培で使える補助金はありますか?
新規就農者向けの「経営開始資金」(年間最大150万円×3年間)や「経営発展支援事業」(上限1,000万円)等が活用できます。詳細は市町村の農業担当窓口にお問い合わせください。
いちごの作付時期と収穫時期はいつですか?
作付時期は9〜10月、収穫時期は12〜5月です。地域や品種によって時期は前後します。
いちごはハウス栽培が必要ですか?
いちごは主にハウス(施設)栽培で行われます。露地栽培も可能ですが、品質・収量の安定にはハウスが有利です。初期投資は高くなりますが、天候リスクの軽減や出荷時期の調整が可能になります。
いちごであなたの収支をシミュレーション
面積・地域を入力するだけで、あなた自身の条件で収支予測ができます。
いちごでシミュレーション