ピーマンの経営ガイド
施設園芸の入門作物として新規就農支援で推奨が多い。栽培管理が比較的容易で、長期間安定した収穫が可能。高知・宮崎・茨城が主産地。
基本情報
作付時期
3〜4月
収穫時期
6〜11月
年間労働時間(10反)
1,800時間
収支の目安(10反あたり)
年間売上
1650万円
年間経費
700万円
年間所得
950万円
月収換算
79万円
月別キャッシュフロー
農業は収入の時期が限られます。ピーマンの場合、6〜11月に収入が集中します。
| 月 | 収入 | 支出 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 1月 | - | 35万円 | -35万円 |
| 2月 | - | 35万円 | -35万円 |
| 3月 | - | 70万円 | -70万円 |
| 4月 | - | 105万円 | -105万円 |
| 5月 | - | 70万円 | -70万円 |
| 6月 | 165万円 | 70万円 | 95万円 |
| 7月 | 330万円 | 70万円 | 260万円 |
| 8月 | 330万円 | 70万円 | 260万円 |
| 9月 | 330万円 | 70万円 | 260万円 |
| 10月 | 248万円 | 35万円 | 213万円 |
| 11月 | 165万円 | 35万円 | 130万円 |
| 12月 | 83万円 | 35万円 | 48万円 |
初期投資の目安
投資総額(10反規模)
2710万円
投資回収目安:約3年
軽トラック
中古
50万円
管理機・動噴
小型管理機一式
30万円
パイプハウス
鉄骨ハウス建設費(10反分)
2200万円
潅水設備
点滴潅水システム(10反分)
180万円
暖房設備
加温機・保温資材(10反分)
250万円
リスクと注意点
自然災害(台風・豪雨・干ばつ等)による収量減少リスク
市場価格の変動による収入不安定リスク
ハウス・施設の維持管理費用と故障リスク
燃料費・暖房費の高騰リスク
よくある失敗
規模の拡大を急ぎすぎる
技術が未熟なまま面積を増やすと管理が追いつかず品質低下・収量減に。まず小規模で技術を磨き、3年目以降に段階的に拡大するのが安全です。
運転資金の見積もりが甘い
就農1〜2年目は収入が安定しません。最低1年分の生活費+営農資金を確保してからスタートしましょう。
整枝・仕立ての遅れ
ピーマンは分枝が旺盛で、放任すると過繁茂になり日照不足・着果不良を招きます。主枝の仕立てと適度な整枝を早期から行うことが重要です。
カメムシ・アブラムシの防除遅れ
ピーマンは害虫被害で品質が著しく低下します。特にカメムシによる吸汁被害は外観を損ね、規格外品率が上がります。予防的な防除が不可欠です。
成功のコツ
先輩農家との関係づくり
地域の先輩農家やJA指導員との信頼関係が最大の資産です。技術指導だけでなく、農地紹介や販路の引き継ぎにもつながります。
補助金・支援制度のフル活用
経営開始資金(年間最大150万円×3年)をはじめ、活用できる制度は漏れなく申請しましょう。市町村の農業担当窓口への早期相談が鍵です。
長期どり栽培で収量最大化
ピーマンは適切な管理で6月〜11月まで長期収穫が可能。追肥と灌水を切らさず、樹勢を維持することが収量アップの鍵です。
カラーピーマンで付加価値向上
赤・黄のカラーピーマンは通常のピーマンの2〜3倍の単価で取引されます。栽培技術に慣れたら一部の面積で挑戦するのも有効です。
活用できる補助金・支援制度
経営開始資金(新規就農者育成総合対策)
就農直後の経営が不安定な時期(最長3年間)の生活を支援する資金。月額12.5万円相当。令和7年度予算107億円の一部。
年間最大 150万円 × 3年間
申請先: 市町村の農業担当窓口または都道府県農業会議に申請
就農準備資金(新規就農者育成総合対策)
都道府県が認めた研修機関等で研修を受ける就農希望者への資金。月額12.5万円相当。就農前の研修期間を支援。
年間最大 150万円 × 2年間
申請先: 都道府県の就農支援センターまたは農業大学校に相談
経営発展支援事業(新規就農者育成総合対策)
就農に必要な機械・施設等の導入を支援。補助率は都道府県支援分と合わせて最大1/2。上限1,000万円(経営開始資金と併用時は500万円)。令和7年度概算要求149億円。
年間最大 1000万円 × 1年間
申請先: 市町村の農業担当窓口に申請。都道府県の上乗せ支援がある場合も
青年等就農資金(日本政策金融公庫)
認定新規就農者向けの無利子融資。融資限度額3,700万円(特認1億円)。返済期間17年以内(据置5年以内)。施設・機械取得、果樹・家畜購入等に利用可能。
年間最大 3700万円 × 17年間
申請先: 日本政策金融公庫の各支店またはJAバンクに相談
農業保険(収入保険制度)
自然災害や価格低下で収入が減少した場合に、基準収入の最大90%を補てん。保険料の50%・積立金の75%を国が補助。新規就農者は就農2年目(青色申告1年分)から加入可能。
申請先: 最寄りのNOSAI(農業共済組合)に相談
強い農業づくり総合支援交付金
産地の競争力強化に必要な共同利用施設の整備を支援。集出荷施設、乾燥調製施設等が対象。補助率1/2以内。令和7年度予算200億円の内数。主に産地・法人・団体向け。
申請先: 都道府県の農業振興課または地方農政局に相談
みどりの食料システム戦略推進総合対策
有機農業への転換・化学肥料・農薬の削減を目指す農業者への支援。みどりの食料システム法の認定を受けると、機械・施設導入時に特別償却(32%)または税額控除(7%)の優遇あり。
申請先: 市町村または都道府県の農業振興課に相談。みどり認定の申請が必要
雇用就農資金
農業法人等が就農希望者を雇用する際の助成金。年間最大60万円・最長4年間。独立就農目的の場合、最初の2年は年間最大120万円。就農希望者にとっては農業法人で技術を習得しながら収入を得る道。
年間最大 60万円 × 4年間
申請先: 全国農業会議所または都道府県農業会議に申請
新規就農相談センター(無料相談)
各都道府県に設置された就農相談窓口。補助金の申請方法、研修先の紹介、農地の斡旋等を無料で相談可能。オンライン相談にも対応。
申請先: 全国農業会議所「農業をはじめる.JP」(be-farmer.jp)または各都道府県の就農支援センター
よくある質問
ピーマンの新規就農で年収はいくら稼げますか?
10反(約1ha)の栽培で、年間売上約1650万円、経費を差し引いた年間所得は約950万円が目安です。ただし1〜2年目は習熟度が低く、5年目の水準の50〜65%程度になることが一般的です。
ピーマンの栽培に必要な初期投資はいくらですか?
10反規模の場合、農機具・設備等で2710万円程度が目安です。中古機械の活用やリースにより初期費用を抑えることも可能です。
ピーマンの栽培で使える補助金はありますか?
新規就農者向けの「経営開始資金」(年間最大150万円×3年間)や「経営発展支援事業」(上限1,000万円)等が活用できます。詳細は市町村の農業担当窓口にお問い合わせください。
ピーマンの作付時期と収穫時期はいつですか?
作付時期は3〜4月、収穫時期は6〜11月です。地域や品種によって時期は前後します。
ピーマンはハウス栽培が必要ですか?
ピーマンは主にハウス(施設)栽培で行われます。露地栽培も可能ですが、品質・収量の安定にはハウスが有利です。初期投資は高くなりますが、天候リスクの軽減や出荷時期の調整が可能になります。
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