キュウリの経営ガイド
収量が多く回転が速い。夏場の需要が高いが価格変動も大きい。ハウス栽培で周年出荷も可能。
基本情報
作付時期
3〜4月
収穫時期
5〜9月
年間労働時間(10反)
2,000時間
収支の目安(10反あたり)
年間売上
1750万円
年間経費
650万円
年間所得
1100万円
月収換算
92万円
月別キャッシュフロー
農業は収入の時期が限られます。キュウリの場合、5〜9月に収入が集中します。
| 月 | 収入 | 支出 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 1月 | - | 33万円 | -32万円 |
| 2月 | - | 33万円 | -32万円 |
| 3月 | - | 78万円 | -78万円 |
| 4月 | - | 98万円 | -97万円 |
| 5月 | 175万円 | 78万円 | 97万円 |
| 6月 | 350万円 | 65万円 | 285万円 |
| 7月 | 438万円 | 65万円 | 373万円 |
| 8月 | 438万円 | 65万円 | 373万円 |
| 9月 | 263万円 | 52万円 | 211万円 |
| 10月 | 88万円 | 33万円 | 55万円 |
| 11月 | - | 26万円 | -26万円 |
| 12月 | - | 26万円 | -26万円 |
初期投資の目安
投資総額(10反規模)
2560万円
投資回収目安:約3年
軽トラック
中古
50万円
管理機・動噴
小型管理機一式
30万円
パイプハウス
鉄骨ハウス建設費(10反分)
2300万円
潅水設備
点滴潅水システム(10反分)
180万円
リスクと注意点
自然災害(台風・豪雨・干ばつ等)による収量減少リスク
市場価格の変動による収入不安定リスク
ハウス・施設の維持管理費用と故障リスク
燃料費・暖房費の高騰リスク
高い労働負荷による体調管理・人手確保の課題
よくある失敗
規模の拡大を急ぎすぎる
技術が未熟なまま面積を増やすと管理が追いつかず品質低下・収量減に。まず小規模で技術を磨き、3年目以降に段階的に拡大するのが安全です。
運転資金の見積もりが甘い
就農1〜2年目は収入が安定しません。最低1年分の生活費+営農資金を確保してからスタートしましょう。
収穫遅れ
キュウリは成長が極めて速く、1日収穫を怠ると規格外の大きさになります。最盛期は朝夕2回の収穫が必要な場合もあります。
べと病・うどんこ病の蔓延
キュウリは病気に弱く、予防散布を怠ると一気に蔓延して収量が激減します。予防的な薬剤散布と換気管理が不可欠です。
成功のコツ
先輩農家との関係づくり
地域の先輩農家やJA指導員との信頼関係が最大の資産です。技術指導だけでなく、農地紹介や販路の引き継ぎにもつながります。
補助金・支援制度のフル活用
経営開始資金(年間最大150万円×3年)をはじめ、活用できる制度は漏れなく申請しましょう。市町村の農業担当窓口への早期相談が鍵です。
接ぎ木苗の活用
接ぎ木苗は耐病性が高く、土壌病害のリスクを大幅に減らせます。自根苗より割高ですが、連作が避けられない場合は必須の投資です。
ピーク期の労働力確保
最盛期の7〜8月は収穫作業量が膨大になります。パート雇用やシルバー人材の活用を事前に計画しておくことが重要です。
活用できる補助金・支援制度
経営開始資金(新規就農者育成総合対策)
就農直後の経営が不安定な時期(最長3年間)の生活を支援する資金。月額12.5万円相当。
年間最大 150万円 × 3年間
申請先: 市町村の農業担当窓口または都道府県農業会議に申請
就農準備資金(新規就農者育成総合対策)
都道府県が認めた研修機関等で研修を受ける就農希望者への資金。就農前の研修期間を支援。
年間最大 150万円 × 2年間
申請先: 都道府県の就農支援センターまたは農業大学校に相談
経営発展支援事業(新規就農者育成総合対策)
就農に必要な機械・施設等の導入を支援。補助率は都道府県支援分と合わせて最大1/2。上限1,000万円。
年間最大 1000万円 × 1年間
申請先: 市町村の農業担当窓口に申請。都道府県の上乗せ支援がある場合も
農業保険(収入保険制度)
自然災害や価格低下で収入が減少した場合に、基準収入の9割を補てん。掛金の50%を国が補助。
申請先: 最寄りのNOSAI(農業共済組合)に相談
強い農業づくり総合支援交付金
産地の競争力強化に必要な共同利用施設の整備を支援。集出荷施設、乾燥調製施設等が対象。補助率1/2以内。
申請先: 都道府県の農業振興課または地方農政局に相談
新規就農相談センター(無料相談)
各都道府県に設置された就農相談窓口。補助金の申請方法、研修先の紹介、農地の斡旋等を無料で相談可能。
申請先: 全国農業会議所「新規就農相談センター」または各都道府県の就農支援センター
よくある質問
キュウリの新規就農で年収はいくら稼げますか?
10反(約1ha)の栽培で、年間売上約1750万円、経費を差し引いた年間所得は約1100万円が目安です。ただし1〜2年目は習熟度が低く、5年目の水準の50〜65%程度になることが一般的です。
キュウリの栽培に必要な初期投資はいくらですか?
10反規模の場合、農機具・設備等で2560万円程度が目安です。中古機械の活用やリースにより初期費用を抑えることも可能です。
キュウリの栽培で使える補助金はありますか?
新規就農者向けの「経営開始資金」(年間最大150万円×3年間)や「経営発展支援事業」(上限1,000万円)等が活用できます。詳細は市町村の農業担当窓口にお問い合わせください。
キュウリの作付時期と収穫時期はいつですか?
作付時期は3〜4月、収穫時期は5〜9月です。地域や品種によって時期は前後します。
キュウリはハウス栽培が必要ですか?
キュウリは主にハウス(施設)栽培で行われます。露地栽培も可能ですが、品質・収量の安定にはハウスが有利です。初期投資は高くなりますが、天候リスクの軽減や出荷時期の調整が可能になります。
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