りんごの経営ガイド
日本を代表する果樹。寒冷地での栽培が中心。苗木から収穫まで4〜5年かかるが、長期安定経営が可能。
基本情報
作付時期
3月(剪定・摘花)
収穫時期
9〜11月
年間労働時間(10反)
2,200時間
収支の目安(10反あたり)
年間売上
875万円
年間経費
400万円
年間所得
475万円
月収換算
40万円
月別キャッシュフロー
農業は収入の時期が限られます。りんごの場合、9〜11月に収入が集中します。
| 月 | 収入 | 支出 | 収支 |
|---|---|---|---|
| 1月 | - | 24万円 | -24万円 |
| 2月 | - | 24万円 | -24万円 |
| 3月 | - | 40万円 | -40万円 |
| 4月 | - | 40万円 | -40万円 |
| 5月 | - | 40万円 | -40万円 |
| 6月 | - | 40万円 | -40万円 |
| 7月 | - | 32万円 | -32万円 |
| 8月 | - | 32万円 | -32万円 |
| 9月 | 175万円 | 40万円 | 135万円 |
| 10月 | 350万円 | 32万円 | 318万円 |
| 11月 | 263万円 | 28万円 | 235万円 |
| 12月 | 88万円 | 28万円 | 60万円 |
初期投資の目安
投資総額(10反規模)
780万円
投資回収目安:約2年
トラクター
中古20馬力クラス
150万円
SS(スピードスプレーヤー)
中古
80万円
軽トラック
中古
50万円
苗木・棚設備
苗木+支柱(収穫まで4-5年)(10反分)
300万円
防霜・防雹設備
多目的防災網(10反分)
200万円
リスクと注意点
自然災害(台風・豪雨・干ばつ等)による収量減少リスク
市場価格の変動による収入不安定リスク
苗木から収穫まで数年かかり、その間の収入がゼロとなるリスク
鳥獣害(鳥、猿、鹿等)による被害リスク
高い労働負荷による体調管理・人手確保の課題
よくある失敗
規模の拡大を急ぎすぎる
技術が未熟なまま面積を増やすと管理が追いつかず品質低下・収量減に。まず小規模で技術を磨き、3年目以降に段階的に拡大するのが安全です。
運転資金の見積もりが甘い
就農1〜2年目は収入が安定しません。最低1年分の生活費+営農資金を確保してからスタートしましょう。
摘果の判断ミス
りんごは摘果量が収量と品質のバランスを決めます。残しすぎると小玉・低糖度、落としすぎると収量減。経験者の指導を受けながら感覚を養いましょう。
農薬散布スケジュールの乱れ
りんごは年間10回以上の防除が必要です。適期を逃すと黒星病・斑点落葉病が発生し、外観品質が大幅に低下します。
成功のコツ
先輩農家との関係づくり
地域の先輩農家やJA指導員との信頼関係が最大の資産です。技術指導だけでなく、農地紹介や販路の引き継ぎにもつながります。
補助金・支援制度のフル活用
経営開始資金(年間最大150万円×3年)をはじめ、活用できる制度は漏れなく申請しましょう。市町村の農業担当窓口への早期相談が鍵です。
わい化栽培で早期収穫
わい化(矮化)栽培なら定植後2〜3年で収穫開始でき、従来の半分以下の期間で投資回収が始まります。初期投資は高いですが、新規就農者に適した栽培方式です。
加工・6次産業化
ジュース・ジャム・シードル・ドライフルーツなど加工品の販売で、規格外品の活用と収入の多角化が可能です。
活用できる補助金・支援制度
経営開始資金(新規就農者育成総合対策)
就農直後の経営が不安定な時期(最長3年間)の生活を支援する資金。月額12.5万円相当。
年間最大 150万円 × 3年間
申請先: 市町村の農業担当窓口または都道府県農業会議に申請
就農準備資金(新規就農者育成総合対策)
都道府県が認めた研修機関等で研修を受ける就農希望者への資金。就農前の研修期間を支援。
年間最大 150万円 × 2年間
申請先: 都道府県の就農支援センターまたは農業大学校に相談
農業保険(収入保険制度)
自然災害や価格低下で収入が減少した場合に、基準収入の9割を補てん。掛金の50%を国が補助。
申請先: 最寄りのNOSAI(農業共済組合)に相談
新規就農相談センター(無料相談)
各都道府県に設置された就農相談窓口。補助金の申請方法、研修先の紹介、農地の斡旋等を無料で相談可能。
申請先: 全国農業会議所「新規就農相談センター」または各都道府県の就農支援センター
よくある質問
りんごの新規就農で年収はいくら稼げますか?
10反(約1ha)の栽培で、年間売上約875万円、経費を差し引いた年間所得は約475万円が目安です。ただし1〜2年目は習熟度が低く、5年目の水準の50〜65%程度になることが一般的です。
りんごの栽培に必要な初期投資はいくらですか?
10反規模の場合、農機具・設備等で780万円程度が目安です。中古機械の活用やリースにより初期費用を抑えることも可能です。
りんごの栽培で使える補助金はありますか?
新規就農者向けの「経営開始資金」(年間最大150万円×3年間)や「経営発展支援事業」(上限1,000万円)等が活用できます。詳細は市町村の農業担当窓口にお問い合わせください。
りんごの作付時期と収穫時期はいつですか?
作付時期は3月(剪定・摘花)、収穫時期は9〜11月です。地域や品種によって時期は前後します。
りんごは植えてから何年で収穫できますか?
りんごは苗木から4〜5年で本格的な収穫が始まります。その間の収入源の確保が重要な経営課題となります。
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